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日本先端医療ニュース

<人工関節手術の第一人者> スポーツのできる人工関節手術から、 最後まで歩ける高齢者への最先端医療まで

2016-03-18 10:38

苑田会人工関節センター病院 病院長
杉本和隆 先生

苑田会人工関節センター病院は、関節の治療を専門としており、中でも、①人工関節の最先端治療(筋肉を全く切らないMIS最小侵襲手術、内視鏡手術、ナビゲーション手術、先進医療手術など)、②人工関節の術後スポーツ活動、長期の耐久性を満たすための先端医療を特長としている。また、オーダーメイド人工関節など患者のニーズにあった医療、早期社会復帰を目指している。
病院長である杉本和隆先生は、長い間アメリカで研究を重ね、スポーツのできる人工関節手術では第一人者といわれており、数多くの一流スポーツ選手が先生の手術により、見事に復帰、絶大な信頼を得ている。
年間1500件の手術をこなし、「人工関節を語る若手研究会」の代表として技術向上と若手育成に努めている中、国内外の多くの学会に所属し、Best Doctors 2010-2011,2014-2015に選ばれている。
そして、日本や中国では超高齢化社会を迎えている今、最後まで高齢者が自分の足で歩ける医療を理念としている。

骨や関節の病気も治療で治ります!

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●手術をしてもスポーツができる

―― 先生は中国でも有名でらっしゃいますが、交流はいつごろからですか。

杉本 この病院ができてすぐ、5年前からです。中国整形外科学会の理事をやり、講演にも行っていました。アジアで僕が手術件数が一番多いので、中国の教授たちもその見学と勉強に来られています。「薬事承認」というか、中国でできる手術の幅が広がったんですよ。手術は物(人工関節)だけ見てもだめで、どうやって手術するのかというのが大切なのです。

―― 先生のご専門の分野で中国と日本の医療の違いはありますか。

杉本 中国では日本よりももっと早く高齢化が進行している。良くも悪くも日本と同じ歴史を中国も歩いている。ただ、人口が多く、日本の100年が中国では10年で来ている。中国はひとりっ子政策でしたから、より少子高齢化率が高いのです。
 日本の高齢化で一番困っているのは、歩けない人の介護の問題です。中国も儒教の国ではあるけれども、現実、子どもが両親の面倒はなかなか見られない。歩けない人が増えるというのは、国力が落ちることにつながり大変です。日本も、年だから我慢しなさいという時代があった。ですから、昔の日本の医療に近いところでやっていると、同じことに中国はなってしまう。
僕たちの仕事というのは、今を治すだけじゃなくて、その人の未来がどうなるかというのを基準に考えている。手術しないで治る人、手術が必要な人というのをちゃんと見きわめることが大事です。
まず大事なのは、医療を諦めないということ。例えば骨とか関節の病気でも、治療法の違いだけであって、必ず治るんです。未来を見据えた上で何がいいか。それは最先端医療から、身近なトレーニングとか、ライフスタイルの根本までです。うちでは95歳でも手術をします。それで治ってみんな山に登っていますよ。

―― 貴院の特長を教えてください。

杉本 当院では、専門病院として人工関節の最先端治療を行っています。膝の動きをより正常に近い、手術をしてもスポーツができる状態にする。筋肉であるとか、靭帯とかの機能を再現するわけですね。
手術も切らずにできる内視鏡で、カメラで刺すだけという手術です。あとは人工の軟骨を入れる。手術後は、ゴルフとかスキーとかテニスとか、全部できます。できないのは、バスケットボールとかサッカーなど、ジャンプしたり、ぶつかったりするものだけです。
ナビゲーションなど最先端の技術でやります。もっと富裕層だと、オーダーメイドの人工関節をやっています。日本ではうちの病院でしかできません。30年ぐらいは大丈夫ですから、1回手術すれば一生ものです。

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●中国から来ても一週間あれば大丈夫

―― 具体的な手術日数などについて。

杉本 患者様には手術の前の日に来ていただきます。普通の病院だと4時間かかる手術が、30分から1時間で終わって、次の日から歩けます。3、4日で帰られる人もいます。中国から来られるのであれば、健康な人なら1週間です。糖尿病の人なら10日くらいです。
当院は、2階がクリニック、3階が手術室、4階と5階が病室、6階がリハビリテーションです。手術は無菌室であるバイオクリーンルームで行います。バイオクリーンルームは特殊でお金もかかりますが、おかげで合併症、院内感染ゼロです。また手術は睡眠薬で寝ているうちに終わりますし、術後は痛み止めのブロック注射と内服薬で痛くありません。
それから、リハビリも自慢です。なぜ横綱やプロスポーツ選手たちがみんな来てくれるかというと、うちのリハビリをやると回復が早いから勝てる。次の日から歩いて、がんがんトレーニングをしています。いろんなプロスポーツ選手が来ています。皆さん、「きついけど、スポーツジムみたいで楽しい」と。
部屋もホテルみたいにしています。病院の近所は相撲部屋が多いので、観光で雷門とかスカイツリーに行って、入院中もリハビリの合間にお相撲を見にいけるので、すごく喜ばれています。皆さんビザがあるうちに余裕で帰れます。

―― 貴院では中国の患者を受け入れていただけますか。

杉本 はい、すでに来ていますよ。中国だけでなく、僕はお相撲さんを診ているので、モンゴルからもいっぱい来ています。日本では安心・安全が第一で99%失敗はないからです。
実は2016年4月から、この病院に中国人の先生が来ます。中国の外科の資格を持っていますが日本の医師国家試験にも合格しました。日本の大学病院で研修して、うちに就職します。ですから、言葉は心配ありません。医事課にも中国語を話せる人間がいます。
あとは、僕の部下が日本に360人いるので、東京だけじゃなく、地方でも紹介できます。ただ、僕にしかできない手術の場合は東京になってしまいます。スポーツのできる人工関節というのがありまして、他の先生がやっている手術だとあまり激しいスポーツができない。でも僕の手術だと激しいスポーツ競技もできます。

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―― 今後の抱負をお聞かせください。

杉本 おかげさまで日本一の病院にはなりました。そこをスタートにアジアなど海外の人たちをもっと助けてあげたいのです。
さきほど360人も部下がいると言いましたが、なぜそんなに多いかというと、僕1人でできることは小さいからです。みんなで毎日毎日勉強して、必ず年に7回ぐらい会議をやって、みんなの医療レベルを高めています。10年後、20年後、30年後のために、僕より若い先生へと、教え育てているのです。ですから、日中のドクターの交流がすすめば、もっとたくさんの人を助けられます。中国の医師たちと交流を深め、一緒に手術ができる病院が出来るのが夢です。
人間が生きている限り、医療はなくなりません。10年後、20年後、もっと国際貢献ができればと考えています。

『人民日報海外版日本月刊』より転載