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日本先端医療ニュース

<日本有数の脳神経外科の専門病院>脳卒中の医療を365日24時間体制で

2016-04-18 11:15

横浜新都市脳神経外科病院院長
森本将史 先生

横浜新都市脳神経外科病院は脳神経外科の専門病院として、特に脳卒中超急性期医療を365日24時間対応できるように緊急医療体制を築いている。急性期ベッドが100床、その中で、厚生労働省の認可の下りた脳卒中専門の集中治療室(SCU)12床ある。日本脳神経外科学会専門医が7名おり、365日24時間対応できる。
治療として開頭手術とカテーテルによる血管内手術の両方ができる病院で、より安全な手技を選択していることが大きな特徴である。「脳血管内治療」は、入院期間も5日ほどで、高齢者にも体に負担のかからない治療法として注目されている。また、急性期の脳血管障害は早期治療が大原則で、外来では、その日のうちの検査、診断が可能である。
森本先生は京都大学病院とその関連病院で脳外科医として経験を積み、医療法人社団北原脳神経外科病院副院長を経て2011年、同病院院長に就任。超高齢化社会の今、脳ドックで病気を防ぐ予防医学にも力を入れている。

脳ドックで病気を防ぐ予防医学を推進

●「脳血管内治療」ができる専門医がいる

―― 貴院の特長についてお聞かせいただけますか?

森本 当院は脳神経外科専門病院の規模としては恐らく関東一、日本でも有数です。一番の大きな特徴は、脳梗塞の超急性期治療への機動性ですね。脳卒中の治療には、発症してからできるだけ短時間に治療を開始することが重要です。病院としては、それが可能な設備と体制が24時間365日、整っていることが求められています。当院には脳外科の専門医が24時間必ず病院にいます。いつでも手術ができる体制を整えています。
患者様が運ばれてきてから治療までの時間を速くするには、医者の力だけではなく、病院スタッフの総合力が問われます。とくに「血管内治療」においては、チーム力が不可欠です。
また、カテーテルを使った脳血管内治療は専門医でないと難しいです。今、当院には専門医が4人いますが、一つの施設に4人という病院はなかなかありません。だからこそ24時間365日で回せるのです。「脳血管内治療」は、ご高齢の患者様が増えるなか、体に負担のかからない治療法として注目されています。
施設面でも、脳卒中の急性期のベッドが100床あります。特に厚生労働省の条件を満たした脳卒中専門のストロークケアユニット(SCU)を12床持っている病院は日本では少なく、関東でもわずかです。
治療後はリハビリ専門医が急性期から回復期までをフォローします。また、循環器内科や整形外科を併設し、脳疾患関連の合併症にも対処しています。
もう一つの特徴は、高齢化社会での予防医学に力を入れているということです。脳卒中は寝たきり原因の第一位であり、発症してからでは症状が残ってしまう危険性が高い。発症する前に脳ドック等で検査をして、脳梗塞やくも膜下出血になりやすい所見、たとえば血管が細いとか、動脈瘤が見つかった場合は、症状が出る前に治療するなど、脳血管障害の予防治療も行います。脳の疾患には他にも脳腫瘍などありますが、特に脳卒中に関して当院は日本有数のレベルにあります。

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●健康のため脳ドックを受けるべき

―― 予防というのは、どういう方が対象になるわけですか?

森本 昔は50~70歳の人が対象でした。脳ドックで、脳血管をMRA(核磁気共鳴血管画像)で見て、動脈瘤や血管の詰まりなどを見つけることができます。今は低年齢化していて、30代、40代の人でも、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血のある人が多くなりました。ですから、予防という意味で、年齢に関係なく皆さん一度はチェックされたほうがいいと思います。
特にご家族に脳卒中の方がおられる方、あるいはそういう生活習慣病などが心配な方は、脳の血管を調べることをお勧めします。直前まで何もなくても、急にバタッと倒れてしまわないように、定期的に脳の血管をチェックしておいたほうがいいですね。

―― つまり、健康チェックという意味で、脳ドックを受けなさいということですね?

森本 そうです。脳の検査を受けておくということが大事です。あとは、一過性の症状がありますよね。例えばちょっとしたしびれ、ふらつき、頭痛。そういう症状も、とりあえずは専門科、脳外科を受診して、一度調べておいてもらったほうがいいです。要するに、軽い症状と思って決して油断しないことです。

―― 院長ご自身の医療の一番の特徴をお聞かせください。

森本 くりかえしになりますが、一番の特徴は、検査と診断が迅速ということです。脳の検査を受けてくださいと言いましたが、大きな病院ほど時間がかかる。予約で1回、検査で1回、結果で1回、3回通院しないといけないですよね。
でも脳卒中というのは、ちょっとした症状が現れたときには、すでに脳梗塞になっているかもしれない。出血を起こしているかもしれない。そういったリスクがあります。ですから、当院では、必ず来た日に検査、診察して、大丈夫だったらお帰りいただいています。脳ドックというのもありますが、外来で検査してすぐ入院という場合もあります。
次に、治療法として、開頭手術と血管内手術と両方できる。もちろんすべて血管の中から治療できればいいのですが、症例によっては血管内治療が危険なものもたくさんあります。より安全なほうを選んで治療できるというのが、当院の大きな特徴ですね。
院長としては、医師以外のスタッフと協力しながら「チーム新都市」として患者様の安心と満足をこころがけています。お陰で脳梗塞や脳動脈瘤の治療実績は、神奈川で1位、全国でも有数です。

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●中国の方に「予防が大切」と訴えたい

―― 先生ご自身、中国をはじめアジアとの交流はございますか?

森本 私は今、ベトナムとインドネシアなどに血管内治療の技術を教えに行ったり、向こうの医者を3カ月間研修で受け入れたりなどの交流はしています。中国へは、以前、北原国際病院にいたとき、上海に行っていました。

―― 中国からの患者さんの受け入れ状況はいかがですか? 中国の人にアピールしたいことはありますか。

森本 すでに中国からの紹介はありました。脳腫瘍が多いですね。ただ、脳血管障害の治療もしていきたいと思います。
中国の方に訴えたいことは、予防が大切ということです。中国ではリハビリがまだ充実していないので、脳卒中になってからでは一生ハンディキャップの人生になってしまいます。ですので、まずは脳ドックで検査を受けるなど、病気になる前に治療する概念を持っていただきたいです。そして、中国の方たちが日本で脳ドックを受けて、治療するという流れをつくれたらいいなと思います。

『人民日報海外版日本月刊』より転載