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マスコミ報道

バストの美容と健康を守り、乳がん切除と乳房再建を同時に ——南雲吉則 ナグモクリニック総院長

2015-08-01 12:47

文/蒋豊

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南雲吉則という名前は、頻繁に日本のテレビ番組に登場し、著作はベストセラーにランキングされている。およそ30年前、氏は日本で唯一のバスト専門のクリニック——ナグモクリニックを開業し、乳がんの手術は外科医、乳房再建は形成外科医、乳房の手入れは産婦人科医という既存のしくみに終止符を打った。ナグモクリニックは東京、大阪、名古屋、札幌、福岡、そして韓国ソウルに分院をもつ。氏は女性のバストの美容と健康を守ることを生涯のテーマにしている。1994年からは日本と中国の医療交流を推し進め、毎年中国で講義を行い、外科手術を指導し、大連医科大学の客員教授等も務めた。先ごろ、ナグモクリニック東京院を訪ね、テレビでお馴染みの南雲吉則氏にインタビューを行った。(聞き手は人民日報海外版日本月刊編集長 蒋豊)

 

バストの美容と健康を守ることを生涯のテーマに

―― バストというのは、女性、母親の象徴です。女性のバストに関する悩みは尽きません。貴クリニックは日本で唯一のバスト専門のクリニックであり、女性の強い味方です。なぜこのようなクリニックを設立しようと思ったのですか。

南雲 私は当クリニックを32歳の時に開業しました。クリスマスの日に書斎で、これから何をしようかと考えていた時に、上から光が現れて、「女性の大切なバストの美容と健康と機能を守れ」と声がしたのです。「何という診療科ですか」と聞くと「バストクリニックだ」と。その後わずか一週間で、ほとんど寝ずに、『バスト・クリニック』という本を書きました。それが私のバスト人生の始まりで、それから約30年間、常に全力で走ってきました。

当クリニックが開業するまでは、乳がんの手術は外科医、術後の乳房再建は形成外科医、豊胸は美容外科医というふうに、日本の医学界にはバストのことを専門に診る医師はいませんでした。どの科も片手間にやっていたんですよね。そこで、女性の大切なバストの美容と健康と機能を生涯にわたって守るということを自身のテーマにしたのです。

 

乳がんの切除と乳房の再建を同時に

―― 貴クリニックは、手術も世界トップクラス、医療機器は最先端で、患者から高い評価を得ています。先生が提案されている手術法の特徴は何ですか。また、他と比べて優れた点は何ですか。

南雲 バストの問題は美容と健康の両方を大事にしています。美乳や豊胸 のことだけ考えて、健康面が疎かになっている整形外科医もいれば、乳がんの手術で根治を大切にするあまり、女性の心身に与える傷を考慮しない病院もあります。

何か手だてはないかと、25年前に、小さな傷で乳腺をすべて取って、同じ大きさ、形のシリコンを入れ、胸の形を再建する手術を始めました。そうすることによって、患者様は自分のくぼんだバストを見て苦しまずに済みます。乳がん切除と乳房再建の同時進行の手術に関しては、年間で300例、術後に行う二次再建も300例、合わせて600例で、間違いなく国内トップです。

また、もともとバストが小さいということでクリニックに来られる方も多くいらっしゃいます。これまでに当院では、シリコンによる豊胸手術を1万例以上行ってきました。医療技術の進歩によって、最近では低吸収のヒアルロン酸の注射による豊胸手術がありますが、それも年間で1000例以上行っています。

それだけでなく、ヨーロッパのメーカーと提携して、新しいタイプのヒアルロン酸も開発しています。国際アンチエイジング医学会の名誉会長も務めていますし、日本の乳房再建の学会設立に携わるなど、女性のバストの美容と健康を守るための活動を幅広く展開しています。

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手術前に握手で約束

―― 診察で一番心掛けていることは何ですか。

南雲 一番はスマイルです。二番目に、まず結論から伝えるということです。医者の話というのは大体病状から始まり、聞いていると自分の病気は本当に良くなるのだろうかとだんだん不安になってきます。だから私は、期待できる治療結果から説明するようにしています。そして、最後に握手です。

バストは女性にとって大切なものですから、乳がんにせよ、豊胸にせよ、手術前はとても不安になります。握手をすると、こちらの手術にかける意気込みや自信が伝わりますし、家族の方たちがいれば、ご家族とも握手をします。患者様とご家族に、任せてください、必ず成功させますから! と握手で約束をするのです。

 

中国人の診療経験も豊富

―― 近年、中国では医療ツーリズムがトレンドになっています。ナグモクリニックでは、これまでに中国からの患者を診療したことがありますか。また、今後中国人観光客を受け入れる計画はありますか。

南雲 はい。多くの患者様を診てきました。1994年から毎年中国に行っています。大連医科大学で講義をしたり、中国の美容外科学会に招かれて特別講演を行ったりしてきました。当クリニックは日本の医学界の中でも、比較的早い段階から中国との医療交流・提携を始めました。

当クリニックには専属の中国語の通訳の方がいて、事前に患者様と連絡をとってもらっています。昨日も手術をしました。中国からの患者様の場合、滞在期間が限られていますので、短期間で体が回復できるような術式をお勧めしています。通常、術後2日間はホテルで安静にしていただくか、入院していただきます。その後は、ショッピングや観光に出かけられます。そして、帰国前に一度検査のため来院していただきます。

いま、中国の患者様向けに中国語のホームページを制作しています。

 

若返り法を自ら実践

―― 先生はテレビの医療・健康番組にも多数出演され、書店にも多くの著作が並び、ベストセラーになっています。見た目も実年齢より20歳ほど若く見えます。若さを保つ秘訣は何ですか。

南雲 若返り法といっても、医学界が認めた若返りの方法は三つしかありません。一番目は空腹。お腹がぐーっと鳴ったときに、若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンが出ます。人間は空腹の時こそ、生命力が湧いてくるようにできているのです。二番目は早寝早起きです。三番目は、魚や果物を皮ごと食べるということです。野菜や果物の皮には、ポリフェノールという若返り物質が含まれています。魚の皮にはEPAやDHAと呼ばれる必須脂肪酸が入っています。ところが最近の日本人は、お腹いっぱい食べて、太って、夜更かしして、タバコを吸って、魚や果物野菜の皮を残すというように、若返りとは反対の生活をしているのです。

私は15年間、一日一食、夕食だけという健康法を実践しています。朝と昼は食べません。お昼を食べて眠くなるようなら、ナッツなど糖質の入っていないものを食べるとよいです。

私は今年60歳ですが、血管年齢は20歳です。年齢とともにだんだん筋肉が落ちてきます。最近日本では天変地異が多いので、体力がなければ自分も避難できないし、人も助けてあげられない。それで、筋肉をつけようと思い、朝起きて懸垂と腕立て伏せをしています。辛くなると「世のため、人のため」と自分に言い聞かせています。あとは、エレベーターはできるだけ使わないで階段を上るようにしています。お金をかけずに体を鍛えられ、一挙両得です。

 

生涯、患者様のために

―― 先生は日本唯一のバスト専門のクリニックを開設され、現在全国に5つの分院をお持ちです。バストの美容・医療分野の専門家として、名声も技術もトップクラスです。これからの抱負についてお聞かせください。夢は何ですか。

南雲 私も60歳になりました。普通で言えばもう引退、定年の歳です。ところが、人間の寿命というのは実は120歳まで与えられているのです。120歳まで生きられないのは不摂生をするからです。あと60年の人生が残っているのです。残りの人生でやりたいことが二つあります。

一つは、自身の健康法を実践して、世の中の人に、節制すれば人はどれだけ生きられるのかを示すことです。もう一つは、日本全国、アジア全域にバストの医療の専門家を育てていきたい。そこで、台湾のドクターと一緒に「アジア乳房形成学会」を立ち上げました。そこには、日本、韓国、中国、インドネシア、シンガポール、インド等のドクターが参加しています。ここで、アジアのバストの専門家の医師たちが交流を深め、女性のバストの美容と健康を守る医療が身近なものになってほしいと思っています。この二つが私の夢です。

 

 

取材後記

インタビューを終えて、いつものように揮毫をお願いすると、「眞實是單純、萬物是共通」と、氏の人生哲学を記された。そして、名前を中国語の簡体字で書き、秘かに親指を立てられた。さすが1994年から中日医療交流を進めてきた専門家である。中国語にも精通されている。

情報元:人民日報海外版日本月刊